SERIALIZATION【連載:ヨガスタジオのこれから】
【ヨガをすることで「手に入るもの」を伝えよう】
◆「ベネフィット」に加えて「メリット」を提示しよう◆
「ベネフィットを伝えましょう」と言うと、以下のような情報を発信する方がいます。
<立地や環境>
・海や木々に囲まれた自然のなかでヨガができる
・通いやすい駅近
<価格>
・好きな時間に好きなだけ受けられて月額3,000円(オンライン)
<スタイル>
・マンツーマン
・オリジナルメソッド
・特徴的なヨガスタイル
<実績>
・資格の数
・イベント実績
これらはベネフィットではなく、メリットです。つまり、ヨガレッスンの売りや特徴がメリットに当たります。メリットだけを見ても人の心は動きません。資格名を見ても、ヨガのレッスン名を見ても、一般の方はどんなヨガレッスンをするのかさえイメージできません。ヨガ業界で働く人にとっては当たり前のことでも、一般の方にとっては未知の世界です。
たとえば、「このドリルの素材は超硬合金です」と言われても「で、何ができるの?」と思いますよね? 超硬合金は摩擦などによる高温時でも硬度低下が少ないため精密加工に適しているのですが、それなら「精密加工に最適! ◯◯や◯◯にも対応」と書いてもらったほうが伝わると思いませんか? ですが、「精密加工に最適!」とだけ書かれていると「なぜ? どんな理由から? 本当に?」と理由も気になりますよね。だからこそ、両方を記載する必要があるのです。
この場合、「素材が超硬合金であること」はメリット(特徴)であり、「精密加工に最適」がベネフィットです。メリットはベネフィットを証明し、買い手を安心させるものですが、メリットだけを提示しても購入にはつながらないのです。
ヨガレッスンを受けることで得られる変化、つまりベネフィットを伝えることで、はじめて「ヨガレッスンによって変化した自分」をイメージできるようになります。
◆生徒さんにイメージさせるべきは「ベネフィット」◆
ベネフィットは、生徒さんがヨガインストラクターやヨガスタジオを選ぶ本当の目的です。
・床暖房つきのスタジオ
・ボルスターやブロックなどのプロップも多数用意
・防音完備でオフィス街でも静かな環境
・クラス内容はリストラティブヨガ
これらは、提供する側が伝えたい「メリット」です。これを見ると、静かな状況でリラックスできるヨガをしているイメージは湧くでしょう。上記の場合、「睡眠に関する悩みを解消」や「心身のリラックス時間を持つことで日中の集中力が高まる」などがベネフィットとして考えられます。ですが、はっきりと明記されていない場合、そこまでイメージできる人は少ないでしょう。どんな悩みを解決できるのかによって、来てくれる生徒さんも変わります。だからこそ、ベネフィットを提示しておくことはとても大切なのです。
ベネフィットとメリットの両方を伝えることで、なぜそのベネフィットが実現されるかの理由がわかり、生徒さんの心を安心させつつワクワクさせることができます。
あなたが今発信している情報はメリットかベネフィットかを見返してみましょう。そして、どんなベネフィットを提供できるかを明確にして発信していきましょう。