人生100年時代!「からだ知るヨガ」で
高齢者に元気を届ける熱きシニアヨガティーチャー
「私もヨガをしてみたい。」そんなお母さんの言葉がきっかけで、自身の健康維持のヨガから【シニアヨガ】へ転向された伊藤典子先生。以来、「少し不調があっても先生に会いにくるの」といわれるほどの人気講師になった秘訣をお伺いしました。
「私もヨガをしてみたい。」そんなお母さんの言葉がきっかけで、自身の健康維持のヨガから【シニアヨガ】へ転向された伊藤典子先生。以来、「少し不調があっても先生に会いにくるの」といわれるほどの人気講師になった秘訣をお伺いしました。
『からだ知るヨガ』と称したシニアヨガ(マット、椅子ヨガ)クラスを、 墨田区、板橋区、北区、江東区、渋谷区などの地域包括支援センター、シニアカレッジ、区立文化センターなどで開催中。
また、日本ヨガメディカル協会とZen Place Academyにおいて、シニアヨガ講座、指導者養成講座を開催。
『体の土台《足》を整える+骨・骨粗鬆症』WS開催
介護予防指導士として「介護予防体操」を指導
母が「私もヨガしたい、でも高齢者がヨガができるところがないんだよね……」と話してくれたのがきっかけです。それを聞いたときに、私は自分のためだけのヨガをしてきたのだということに気づきました。そこからは母と一緒にヨガがしたい!という思いから、シニアヨガを学び始めました。
学んでいけばいくほど、「ヨガってシニアのためにある」と感じる部分が多くなりました。シニアの方は、実はそのままの状態でほぼヨガの半分は終わっているんです。これまでの人生の中で、いろんな角度で身をもって体験してきているんですよね。なので、ヨガはとても受け入れていただきやすいツールだと感じました。
また身体を動かしていくうちに、「老い」と「身体の健康」とは違うことに気づきました。容れ物、つまり身体は使っていくうちに痛んできますよね。老いることは皆平等なので仕方がないことです。でも膝が痛い、肩が痛いからって健康を害したわけではない、病気ではないんです。ちゃんと食べられて楽しく生活して夜も寝られる、そんな基礎的な健康はあるのに、身体に不調があると病気だと思い込んでしまう。そんなネガティブな心から、どんどん体調を崩してやる気を無くしていき、最終的には社会にも出ていかない、ご飯も食べたくない、引きこもってしまうというところまでになってしまうことがあるんです。
スタジオでのクラス開催の他に、包括支援センターでレッスンしたり、地域的には墨田区、北区、江東区、渋谷区でクラスを開催しています。介護予防指導士として「介護予防体操(転倒予防体操)」も指導しています。また、墨田区の介護サポーターと言うのもやっているんですが...課題はたくさんあります(笑)
シニアの方々が、自分の身体を自分で管理できるようなっていくことで高齢者の医療費も減っていくし、元気なシニアが増えていく事を目標に活動しています。症状に対して何故そうなったのかを知ってもらい、ちゃんと知識を得て、自分でコントロールしながら暮らす方法を皆さんに提案しながら、一緒に身体を動かしています。『典子さん(高齢者だけど)お若いですね』と言われた時には『ヨガのおかげです』とお答えしちゃいます。
実はシニアヨガのワークショップで、午前中に70代80代くらいの生徒さんが行ったシークエンスを、午後に50代のインストラクターさんが行うと「大変だ」って。疲れるって言うんです。
だけどシニアさんはこれくらい平気ですよって(笑)そこで、別に「シニア」って謳わなくてもいいんだなって気づきました。とにかく年齢関係なく、自分の身体を知ることが大事なんだと。なので私のレッスンは「からだ知るヨガ」という名前を付けました。
実際8年間やっているシニアさんたちと40代の方が一緒にやっていたら、40代の方が「もう大変で、私できません」と逆転現象みたいなことが起こっちゃったんです。だから多分、私のヨガはハードなんだと思いますけど、なぜハードなヨガをシニアさんができるかって言うことなんです。できるんですよ、きちんとやれば。そこを「無理しなくていいですよ」と言うと、そこで止まってしまいます。自重でいろいろなポーズをチャレンジすることで、一歩を踏み出す力を引き出すことができるのもヨガの醍醐味ですよね。
シニアにも色んな方がいて、現役でお仕事をされている方も、家事や孫の世話で忙しい方もいます。スタジオに来られる方達の中でも、ご自身の仕事をして帰ってきて、家族の晩ご飯を作って、急いでヨガに来てスタジオに入ったら、「もうここからは私だけの時間だ」って。ヨガをしてシャバアサナも最後まで起きてこられないんですよね。その後「生き返った!」と言って、またお皿を洗いに元気いっぱいでお帰りになります(笑)
あとスタジオでは、昔あった井戸端会議みたいな事をするんです。昔は井戸で手仕事をしながら話をしてたんですよね。仕事をしながら喋ってるから、罪悪感がまったくないみたいな。そんな時間がやっぱり大事ですよね。それが生きがいに繋がってくれたら、違うところでも意欲が湧いてきますし、気持ちの面でも健康になってくれると思っています。
ヨガワークスのプロップスはみんなオススメですが、特にオススメはヨガブロックBのバーガンディ。
この高さがトリコナーサナの際の皆さんの胸の開き具合に程よく寄り添ってくれています。
モチロン、ヨガベルトも毎回必須です!
ヨガというと、若い人がダイエットなど痩せる目的でやってるイメージが先行しているのか、本来誰しもヨガの考え方に自然と触れているものなのに、自分とはかけ離れた世界で繰り広げられているって思うシニアの方も多いですね。なので、日常生活に例えてポーズを取ることで親しみやすくしたり、ヨガだけでなく脳トレみたいなことも取り入れています。ボール投げなど、身体だけじゃなく脳も一緒に鍛えていかなくちゃ、というメッセージはお伝えしています。
チケットは完全に下町価格です(笑)ここ墨田区なんですけど、マットを使うヨガは1時間15分で1,300円、ドロップインの場合は2,000円です。椅子ヨガは1回1,000円(ドロップインは1,500円)ですね。小さいスタジオなので、プライベートレッスンになる時もあるんですね。そうするとなんか得した気分って言ってくださるので有り難いです。
ただ、やはり地域の公民館などで無料レッスンもたくさんありますよね。私も墨田区の介護サポーターとして、区が行う無料のレッスンを担当していますが、有料のレッスンとはかなり内容が変わります。有料のレッスンは、まずはご自身の身体を知る事。それからすでにある痛みを軽減、緩和、なくす「運動療法」の指導、心の健康法など対価に見合った内容になっています。ご自身の健康への知識を心と身体から学んでいき、より効果を実感して欲しいという想いがあります。
若い人はちゃんとお金を払って身体をケアするけど、高齢者はまだまだ意識的に無償で提供することが美徳みたいなところが少しあるのかなって気はしますね。
ヨガを通して自分の身体を知り、健康管理ができるようになっていくことで、怪我や病気を自ら予防できるようなシニアを増やしていきたいです。
<取材・文=武田さやか / 写真=ご本人提供>
終始笑顔でお話してくださった伊藤先生。その笑顔の奥に、今の日本の高齢化に対しての課題感や、シニア層の方々にヨガをもっと広げたい!という熱い想いも見ることができました。生徒さんとのエピソードで思わず涙ぐまれる場面もあり、深い愛情を感じさせる素敵な先生でした。
予防医学は日本ではまだまだこれからの分野ですが、病になる前にしっかり心身をケアするための選択肢に「ヨガ」が当たり前に選ばれる時代も、そう遠くはないかもしれません。ヨガのこれからの在り方について、深く考えさせられる機会になりました。
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